書くことのちから/クリエイティヴ・ライティング 

クリエイティヴ・ライティングに関する田口ランディのコラムを紹介します


感情労働者が増えた。福祉関係、医療関係、サービス業などなど、他者をケアしたり、他者の話を聞いたりする仕事に就労する人は増えている。カウンセラーにしてもいろんな種類がある(ビジネス、スクール、前世......)。マッサージや、アロマテラピー、ヘアスタイリスト、などなど、どれも感情労働だ。自分の感情を抑制して他人に合わせる......ということを日常的にやっていれば、当然、押さえた自分の感情は圧縮されて強くなる。そのためだと思うけれど、クリエイティヴ・ライティング講座を受講する方たちは、比較的、感情労働者が多い。書くことで感情を外に出したいのだと思う。日々の忙しい生活の中で、自分の仕事を振り返る機会が持てない人は多い。意識せずともオートマチックに物事を進めていると、それに対して他者は無言の...

OSのヴァージョンアップに必要なのは「違和」だ、ということをデビュー当時から書いてきた。二十数年が経ったいま、かつて以上に「差異」や「違和」がエネルギーの元であることを実感する。違う......ということがどれほど大事か、ってことだ。そして人は違うものを同じと見なすことで抽象思考をするが、微細な違いを認識することでエネルギーを得ているので、この両方を同時にやり続けなければならない。「同じに見えて微妙に違う」からその差異によってエネルギー(変化)が生じる。単に大ざっぱに「あれとこれは同じだ」とトポロジーで考えると合理的かもしれないが、エネルギー的には弱くなる。脳は、たいへんエネルギーを使うので省エネをしたがる。ほったらかしておけば「同じこと」をしたがる。「いつも通り」とか「普通」という名...